The obscure size trascriptions in MTB tires
Department of Mountainbike Engineering, Trail Univ.
Kyoto 615-8888, Japan
(C) 2010 Mountainbike Society of Japan
Received 23 May 2010, revised 24 May 2010, accepted for publication 25 May 2010
- 概要
ランページチューブレス26x2.1の幅について検討を行った。4か月で3%の幅の増加が見られた。また新品時の幅は2.1インチよりも9%狭いことが明らかになった。
- はじめに
そんしさんのブログを見ていて思い出した。ランページの幅が変化している疑惑がycrさんから提示されており、計測をする約束になっていた。そこで早速計測してみた。
- 実験方法
タイアは前後輪ともパナレーサー ランページ チューブレス26x2.1。どちらも一年以内に購入したもの。計測はブロックの無い部分の最大幅をノギスで計った。ノギスはロイヤルで1000円位で買ったもの。空気圧によって幅が変わる可能性もあるので、タイアの空気圧も測定。空気圧計はパナレーサーのアナログ式のもの。ホイールは前後ともマビッククロスマックスST DISC。リム幅も計測した(外寸)。
- 測定結果
- 交換したばかりの後輪 タイア幅 48.5mm、リム幅 23.5mm
- 4か月使用した前輪 タイア幅 50.0mm、リム幅 23.5mm
- 空気圧は両方とも1.8bar
- 議論
やはりycrさんの指摘の通り前輪の方が3%程度太かった。しかし3%を見抜くとはするどい。
太い理由だが、前輪は朝ライドに行く前の日に3.5barにして、シングルに入る前に1.8barにするという運用を3か月ほど続けていたので、そのせいでゴムが伸びているのかもしれない。つけたばかりの後輪を4か月後に再測定したい所だが、最近面倒くさがって空気圧を1.8barのままにしているので、ちょっと難しい。また、金型が変わって細くなった可能性もあるが、さすがにこれはないと信じたい。
また、パナレーサの公称値の2.1インチは53.34mmなので、パナレーサの幅の表示は明らかにおかしい。新品の場48.5/53.34*100=91%。つまり実際は表示よりも9%細い。念のためブロックの出ている所も計ってみたが、殆ど同じだった。(ブロックはあまり横にははみ出していない。)これについては、リム幅がパナレーサーが想定しているものよりも5mm狭いという可能性もある。しかしクロスマックスSTのリム幅は外寸23.5mm。外寸28.5mmのホイールを想定している可能性は低いのではないだろうか。
これに対して、そんしさんのブログ*1によるとkendaカルマ29er 2.2はブロックの出ていない所の実測値が56.2mmで、公称値の2.2インチ=55.88mmとほぼ等しいらしい。おなじくkendaカルマ29er 1.9は約7%太めらしい。リムは確かフルクラム。
- 追記
パナレーサーのホームページを見たら、ランページチューブレス26x2.1の幅は50mmと書いてあった。じゃあ2.1ってなんなんだ?単位はインチではないのか?
- 結論
- タイヤは何か月か使っていると少し太くなる可能性がある。
- パナレーサ ランページ チューブレス26x2.1の実際の幅は、新品の状態で2.1インチよりもも9%細い。(クロスマックスSTディスクに装着した場合)。しかしこれはカタログ表示値の50mmとは、それほどずれていない。
- 謝辞
きっかけを与えていただいたycrさんに感謝します。またそんしさんにはデータを利用させていただきました。感謝します。本研究はすべて著者自身の資金によって行われた。よって利益相反はない。
- 参考文献
*1:http://blog.goo.ne.jp/sonsi06