ウンベルトエーコ氏の新作小説。といっても私は薔薇の名前とフーコーの振り子しか読んでいないので三冊目。フーコーの振り子がなかなか大変で読み通すまでに3回途中で挫折していたため、ちょっと恐れていたが、今回のはとても楽しくすらすら読めた。
各地方の言語の違いを直接的に意識した表現が面白い。これは物語と別のテーマとなっているのかも。薔薇の名前ほど多重階層のテーマが見えて来ないが、 むしろ同一階層に幾つものテーマが精密にはめ込まれているのかもしれない。下巻が楽しみだ。
また 作中語られるコンスタンチノープルの光景は怪しく美しく、自分の中ではエルリックサガの夢見る都メルニボネとかぶる。久し振りにマイケルムアコックが読みたくなった。