乗車日記

自転車ときのこ

西行 読了

白州正子氏の西行を読了。西行には興味があったが、うろ覚えの断片情報ばかり。映画の地獄門のインパクトが強すぎて遠藤盛遠と勘違いしていたこともある。学生の頃、妹に辻邦生氏の西行花伝という本を誕生日プレゼントにせがまれて、無い財布から買ってあげたことがあるが、自分は未だに読んでいない。今回初めてその生涯をきちんと知ることができた。

 ねがわくは花の下にて春死なむ
 そのきさらぎの望月のころ

というのは辞世の句だと思っていたが、実は若い時に読んだものらしい。平安王朝の末期の混乱から源平合戦の時代に掛けて、嵯峨、高野山、熊野、讃岐、伊勢と色々な所に草庵を結び、奥州にも二回も旅しているとは知らなかった。
 最後の句は、比叡山の無動寺から琵琶湖を眺めて読んだものとのこと。

 にほ照るや凪たる朝に見わたせば
 漕ぎゆく跡の波だにもなし

今朝の琵琶湖も綺麗だったが、ちょっと寒すぎたし、モーターボートでは跡が出来てしまう。
 後白河法王が集めた梁塵秘抄や、待賢門院璋子のことなど、面白そうな話でこれまで放って来たものが、この本を読んでいて読みたくなってきた。ちょうど来年の大河ドラマは清盛だし、ぼちぼち読んでおこうかと思う。