乗車日記

自転車ときのこ

荻生徂徠「政談」読了

確か5月19日ごろ読了。吉宗の諮問に答えて提出された政策提言書。荻生徂徠の思想もだが、元禄〜享保のころの社会の様子がよくわかって興味深い。

一巻目のあたりは旗本・御家人が江戸で商品経済に頼って暮らしていると駄目になって行くので、領地に戻って自給経済にというようなことが書いてある。しかし後ろの方では、貨幣流通量と物価の関係を論じていたり、信用取引の執行を司法が強制せず、すべて相対の話し合いで解決という状態になっているのはまずいとか、世襲によらない人材登用についての提言等々、非常に多彩。
 一貫しているのは、個人の合理性ではなく、社会全体としての利益になるかどうかという視点のようだ。
自分にとって。また読み返して見たい本の一つとなった。
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