乗車日記

自転車ときのこ

自省録 読了

帰りの飛行機の中で読み終わりましたが、もう一度読んでいます。五賢帝を読んだ後なので、時代背景が分かっており、少し読みやすかったですが、それでもろくに理解はできていません。読み続けるべき本のようです。
現実に苦悩しながら理想を追う様子がにじみ出ているのは分かりました。私もこうありたいと思う部分も多々ありました。
一番多いように思ったのが怒りについての記述。自分も人も所詮は同類であるのに、人に対して怒りを抱くのは間違っているという趣旨のことが結構繰り返されている。最初はずいぶんできた人なんだなと思って読んでいたが、だんだんと違うような気がしてきた。たぶん、皇帝として政治をしていく上で、様々な人とつきあい、相対するうちに、怒り心頭に発することが多々あったのではないだろうか。そのたびに自分の目指す理想と違う自分に苦悩していたというふうに私には読めた。
同様のことが、「何かに悩まされているとき、おまえを悩ましているのはその何かではなく、その何かを判断しているおまえの心だ」というようなこと、あるいは「燃えさかる火がどのようなものでも糧にしてしまうように、人も何が降りかかろうと全てを糧にして目的に向かって進むべきだ」というような言及についても言えるのではないかと思う。マルクス帝が負っていた責任、そして戦地での長く苦しい生活を考えると、これらの言葉には哲学者としてではなく、もっと重いものを感じる。
少しずつでも繰り返し読んでいきたい。
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しかし、結果論からすると、子育ての参考にはしてはいけないのでしょうね。それとも、親があまりにできすぎていると良くないのか。まあ、それならうちは大丈夫かも知れませんが。