乗車日記

自転車ときのこ

太平記第一分冊 読了

NHK大河ドラマで触れて以来、原典も古本屋で歯抜けに買って、ぼちぼち読んでいたのですが、巻の一から通しで読み始めるとその面白さはやはり格別のものがあります。色々と新しい発見がありましたが、楠木正成が最初に立てこもった赤坂城が平城だったというのは驚きました。多数の幕府勢を翻弄したのだから、山の上にあるのだと勘違いしていました。

また、少なくとも第一分冊の建武の新政がなる前の状況では、平地では基本的に騎射戦闘が有利のようです。まずくなったら引き、必要なときに攻めるという機動力の高い戦いが京都市内でも展開されています。

後醍醐天皇については、のっけから批判的な扱いですね。太平記というと南朝の忠臣がどうこうという話が戦前の教育で強調されているのでどうもそっちのイメージがあるのですが、たしか古本屋で買った後半の話では後醍醐帝と崇徳帝と後鳥羽上皇が天狗になってあらわれ、日本国を呪うとかいう回があり、驚愕した覚えがあります。

それと、人が旅行する逸話も多いのですが、その移動の下りが能の謡いで旅の様子を語るところとそっくりなことに気がつきました。時代的には近いし、当時のスタンダードな表現方法だったのでしょうか。

色々と興味が尽きないところですので、早く次の分冊が出て欲しいものです。

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