乗車日記

自転車ときのこ

暴力はどこから来たか 読了

霊長類の暮らし方から人間を照らし出そうとするアプローチ。霊長類は、食への葛藤、生殖への葛藤、捕食者からの圧力を解決する方法として、それぞれの社会性を確立してきている。そのような観点で人の社会を考えることの重要性はよく分かった。暴力の起源そのものについては、読み終えてもまだ判然としないところもある。共同体そのものが、その要因の一つであることは言えると思うが、其処から先は別の角度からの検討も必要になってくるのだろう。

 それはそうと、森に暮らす類人猿たちが人間よりももっとゆっくりと暮らしていることを知って驚いた。ゴリラの出産間隔が4年、チンパンジーで5~7年、オラウータンだと7~9年とのこと。森から出て草原に入った人類にはより大きな捕食圧がかかり、生き延びるために多産にならざるを得なかったらしい。

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