乗車日記

自転車ときのこ

律令国家の転換と日本および道長と宮廷社会 読了

前者は先週読み終わった本、後者は一昨日ぐらいに読み終わった本。
ようやく頭の弁や蔵人やら頭中将やら大納言やら右大臣やらがどんな仕事をしていたのか少しずつ分かってきました。源氏物語を読んでいると仕事をしているところが全く出てこないので、日がな一日女性を口説いたりしているのかと思っていましたが、ちゃんと仕事はあるようです。
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ところで平安時代律令制が崩れていって、中央集権がうやむやになっていく時代かと思っていましたが、そうでもないみたいですね。律令制の地方制度は結局の所、古代の国造りの末裔の郡司達に依存していて、国司が自在に動かせたわけでもなかったのが、平安自体中頃になってようやく中央から派遣された受領国司が自分が連れて行った人材を使って税収を集めたりできるようになったようです。税収と受領の個人資産とはごちゃ混ぜで、最終的に決められた額を国に納めれば良かったらしいですが。ローマ帝国の徴税請負人や中世英国のユダヤ商人などを連想してしまいました。この手の制度はどこの世界でも発生しているので、権力側から見た時の一つの最適解といえるのでしょうか。