これは9月半ばぐらいに読み終えたと思う。
2~3年前にカシミール力のことに少し足を突っ込んで、そこでゼータ関数に出会い、不思議に思っていた。そして先日、書店に並んでいるこの本をぺらっとめくったら、リーマン予想というのはゼータ関数が主題らしい事を知って購入。
ゼータ関数というのは
という感じのもので、nを複素数まで拡張したのがリーマンのゼータ関数。これがゼロになるn(複素数)が全部分かれば全ての素数を表す関数が分かるとのこと。このゼータ関数のその非自明なゼロ点の実数部が必ず1/2というのがリーマンの予想した事丙と言うことでした。コンピュータのおかげで小さい方から十兆個までのゼロ点の実数部が確かに1/2であることは分かっているらしいですが、まだまだ証明できそうもないらしいです。知り合いの話では幾つかある数学の難問の中でも特に難しいと考えられているとか。恐ろしい世界です。
私などは、リーマン予想の説明の最初の方に出てきたオイラー積
の段階でびっくり仰天です。でも、高校の頃は割と整数の問題が好きだったことを思い出しました。
あとこの本、最初の方に「二乗してマイナス1になる数が虚数です」などと初歩的なことが書いてある割には、中盤以降は留数定理やら何やらを使っていて複素解析を勉強していない人には厳しい気がします。これは最近のブルーバックスではいつも感じることですが、なんだかアンバランスというか、最初のとっかかりと後半の展開のレベルが大きく開いている気がします。とはいうものの、どこも誤魔化すことなくきちんと説明してあるのは読んでいて気持ちが良いものでした。(以前に読んだ不完全性定理の本不完全性定理とは何か 読了 - 乗車日記は雰囲気しか書いていなかったのにに対して。)