乗車日記

自転車ときのこ

菌類の生物学 読了

菌類の生物学のスタンダードな教科書とのこと。これまで、キノコの読み物的なものはいくつか読んできたが、菌類の生活様式を系統的に書いてある本は初めてだ。
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特定の菌類ではなく、一般的な性質を細胞レベルから取り上げつつも、菌類全体のことが分かるようになっている。但し、子実体、いわゆる「きのこ」のことは少ししか書かれていない。その本体である菌糸体のことが大変詳しく説明されている。
この本を読んで初めて、なぜ細長く伸びる細胞形式、すなわち菌糸体が菌類の生活にとって有効なのかが分かった。細長いと、木材や落ち葉などに侵入して行きつつ、他の部分に栄養を送ったり、逆にもらったりし易いとのこと。それよりも、そもそも、菌糸というものが細長い細胞がいくつも繋がったものだということを、この本を読んで初めて知ったのです。神経細胞のような感じで、細い菌糸の内側から外側に水素イオンを汲み出して、その濃度差を利用してカリウムアミノ酸などを動かしたり、細胞レベルの動きが面白い。
あと意外だったのが、菌類が青色の光を
感じ取っているということ。地面から出たかどうかを検出したりしているらしい。
もう少し詳しい教科書を読みたくなったが、巻末に紹介されていた本はどれも1万円以上するようだ。ちょっといきなり注文して買うには勇気が必要。図書館で借りてみることができれば良いのですが。