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乗車日記

自転車ときのこ

宇宙戦争 読了

HGウェルズの宇宙戦争です。当然、噂を聞いたことはありましたが、原作を読むのはこれが初めて。なんと設定は1894年で、発表は1897年です。戦車も飛行機はありません。マキシム機関銃や12ポンド砲、甲鉄艦などで火星人と戦います。この火星人、私が子供の頃読んだ宇宙人図鑑では、ただのタコみたいな奴で、地球の最近に感染してすぐに死んだようなことが書いてあったわけです。
しかし今回原作を読んで見ると、とんでもないです。高さ30メートルもあるモビルアーマーみたいなやつに乗って、時速60キロぐらいで走り回り、レーザー光線のようなものがでる熱戦砲を使って人や家を焼き払い、森に隠れている砲兵隊には毒ガスを打ち込みます。そのモビルアーマーが20体ぐらいいて、組織的に行動していますし、火星から増援も来ます。飛行機械も持って来ているようでした。さらに食料の代わりに人間を捕まえてその血液を輸血ときています。全く恐ろしいです。
たまたま12ポンド砲の榴弾が直撃すれば、装甲は破れるようなのですが、動き回るので当てるのは難しく、さらに途中からは毒ガス作戦で砲兵が潜んでいそうなところは虱潰しにされてしまいます。英国政府はロンドン防衛が不可能と発表し、街道は避難民で溢れます。着陸地点近くの村で警察官が一軒一軒回って避難を指示して回っていたり、民間鉄道会社がなんとか運転士を集めて、市民が逃げるために鉄道を運行し続けたりといったシーンも描かれていて、なんだか百年以上前の本とはとても思えません。
主に違うところは、メディアが新聞しかないこと、それから自動車がまだほとんど使われていないことです。新聞しかないので、情報伝達が遅く、人々が逃げ出しにかかるまで時間がかかります。逃げ出すのに使えるのは、徒歩、汽車、馬車で、自動車は2台しか出て来ません。自転車は普及していたようで、頻繁に出て来ます。
まあ最後は火星には微生物がいなかったか、かなり前に火星人が微生物を絶滅させていたかで、彼らに細菌感染という概念がなく、病気になって全員やられてしまったというお話でしたが、これほど本格的なSFだとは知りませんでした。他の作品も読んでみたくなりました。