乗車日記

自転車ときのこ

読了:京都の庭園、キノコとカビの生態学、西南戦争

昨日は6時台の新幹線で東京出張。なんだか出張続きで風邪も治りません。特に喉が痛いのに、プレゼンをしなければならないのは、ちょっとしんどいものがありますがまあ仕方がありません。
本もぼちぼち読んでいるのですが、記録が滞っております。

京都の庭園では、室町時代から植木屋があって、江戸時代には上七軒に植木屋街があったとか、普段聞かない情報がいろいろ載っています。御所はまあよく焼けていたようで、特に17世紀は20年に一度ぐらい焼けています。幕府もよく毎回立て直したものです。あと、後水尾院の修学院離宮造営にかける情熱には驚きました。ジオラマのようなものをつくって作庭案を練り、作庭に明るい侍女を頻繁に見に行かせて、調整を行なったとか。自由に出かけられる身ならば、ご自分で現地で監督されていたでしょうね。二条城や桂離宮近衛家の庭園などなど他にもいろいろ議論されています。

キノコとカビの生態学では、様々な菌類の戦略の違い、資源の争いと協業などについて深い内容を知ることができました。植物遺骸に早めに取り付いて、残っている糖類などを使うやつ、リグニン分解能力のある菌がリグニンの壁を壊してから、ちゃっかりセルロースをもらうやつ、などなど。どこにエネルギーを投入するか戦略を選びながら、競ったり、分業したり。菌類の世界もいろいろあるものです。

西南戦争は、「翔ぶが如く」を読んで以来。「翔ぶが如くは」なんども途中で挫折して、四回ぐらい挑戦してようやく最後まで読みきったので、今回の本も西南戦争が始まるまであたりは、かなり事態の推移を覚えている感じでした。そんなこともあって、この本で面白かったのは、田原坂敗戦後の薩軍の動き、特に延岡敗戦後の可愛岳突破と城山への帰還のあたり、そして西南戦争後の自由民権運動との関わりや、西郷生存伝説のあたりでした。特に大津事件(ロシア皇太子暗殺未遂事件)と西郷伝説の関係は前にも聞いたことがある気がしますが、津田巡査の西南戦争当時の書簡も紹介されていて、あながちでもないなと感じました。
ところで、西南戦争の作戦過程に関しては、今読んでいる「兵器と戦術の世界史」の解説がわかりやすいです。熊本城を囮にして、政府軍が攻勢に出ざるを得なくするという作戦自体は悪くないというもので、現に政府軍は田原坂や吉次越えといった険路な地形を無理やり攻める羽目になって苦労していると。結局のところ、弾薬を十分に供給できなかった(全期間の弾薬使用量が政府軍の1/10)ことが薩軍の敗因で、その直接の原因が3月8日に勅使として鹿児島に上陸した柳原前光一行が、火器弾薬製造所を破壊し、弾薬を没収して帰った件と分析していたのが興味深かった。

それはともかく、昨日は渋谷駅で広告のディスプレイがバグってブルースクリーンになっているのをみました。


Windowsで動いているんですね。驚きました。