乗車日記

自転車ときのこ

ロシアはなぜ破れたか 読了

読了というか再読。1990年に大学の図書館で借りて読んだ本。最近、日本海海戦に関する本をいくつか読んだので、読み直したくなった。タイトルは覚えていなかったが、読んだ時期が研究室配属前だったこと、その時期に図書館に新しく入った本だったこと、および著者がイギリス軍の戦術教官であったことは覚えていた。
図書館の蔵書検索で調べたところ、イギリス人が著者でかつ1990年以前に発行された本はこれしかなかった。アマゾンで検索するとなんと300円で売っている。即購入。これらが部屋から一歩も出ずに処理できてしまう。少なくとも、この本を読んだ1990年にはあり得なかったことだ。
肝心の本の内容は、やはり野戦戦術の解説がわかりやすい。特に間接砲撃についての記述が詳しい。海軍に関しては一応なぞっている程度。
読み直して改めて感じたのは、日露戦争の1年がまさに近代戦の幕開けであったこと。鴨緑江渡過後の半年ほどで大きく戦術が発展したため、奉天の開戦の直前にヨーロッパからやってきた部隊は、これまのやり方で動いて一瞬でひどい損害を受けている。そして、この戦争の経験は第一次世界大戦の勃発阻止には活かされず、途方も無い戦いが行われることになる。
また、戦場は実はロシアでも日本でもなく、中国であり、補給路は朝鮮である。しかし、この本の中には住民の姿はほとんどなく、土木工事か輸送に携わる人夫として現れるぐらい。

そういえば、その昔、この本を読んだあとに、K氏に出会い、「坂の上の雲」を勧められて読んだのだった。K氏には大学卒業後には全く会っていないが、今はどうしているのだろうか。