乗車日記

自転車ときのこ

Mastering BItcoin読了

色々彷徨った挙句、ビットコインの詳しい技術内容が書かれている本に漸く出会えた。これまで読んだのは何に使えるかしか書いていないものか、割り切って簡単に説明しているものかのどちらかばかり。自分は悪魔は詳細に宿ると思っている人間なので、一通り閉じた形での説明がないと理解できないというか受け付けない傾向がある。この本は隅々まで書いてあって気持ちよく読めた。ただし、ハッシュと楕円暗号については詳しい説明がないので、別の本を読んでおいた方が良いと思う。私に関しては先日読んだブルーバックスの「現代暗号入門」が大変役に立った。
過去のすべてのビットコインの取引を記録し、これからも記録し続ける台帳が世界中に無数にあって、その整合性や書き換え不能性が中央管理なしに実現できるのが凄いところ。その台帳、ものすごく大きいのかと思っていたら2016年時点で160GByteとか。大きいといえば大きいけれど、誰でも自分のパソコンに入れておくことができるレベル。意外にコンパクトで驚きました。
信頼できる取引台帳があればそれでよいという事実。子供の頃に読んだ神林長平氏の「十六夜の月」で、「銀行の口座記録をランダムに入れ替えれば、総資産は変わらなくても銀行は破綻する」という理論を立てて実践しようとする人物が登場して、その理屈に非常な感銘を受けたのを思い出しました。