乗車日記

自転車ときのこ

テンプル騎士団 読了

なぜか十字軍には昔から興味があって色々読んでいます。橋口倫介先生の十字軍騎士団も読みました。一番の急先鋒と見える聖地騎士団が、実は最も現地の人と理解しあっているというような状況が興味深いのです。

ところで今回の本は、テンプル騎士団に絞ったもの。その国際ネットワークの凄さがわかりやすく語られています。なぜヨハネ騎士団とドイツ騎士団が残り、テンプル騎士団が潰されたのかというのは前から疑問だったのですが、その理由が、少し理解できました。強力な組織、財力、税制上の優遇などは十字軍遂行という目的があってこそ許容されていたものの、十字軍が終焉した後は羨望や妬みの対象になるだけということ。他の目的を見つけた残り二つの騎士団と違って、テンプル騎士団は明確な次の使命を示すことができなかった。その辺りに理由があるということのようです。
テンプル騎士団について理解が進んだので、ウンベルトエーコ氏の「フーコーの振り子」をもう一度読み直してみようかという気になって来ました。