乗車日記

自転車ときのこ

読了 興亡の世界史 オスマン帝国の500年、U

昨年12月に大阪駅の蔦屋書店で手に取った皆川先生のU。小説ならではの個人の視点で見たオスマン帝国にあらためて魅力を感じ、家に積んであった興亡の世界史第十巻を読み出しました。この連休で読了。

オスマン帝国の歴史を見ると、いつも民族主義の功罪について考えさせられます。
帝国が19世紀の民族主義の台頭に大きく揺らぐその中で、一旦は全ての住民を国民としてまとめる理念を打ち出していたということを今回初めて知りました。何人の国でもなかった帝国の改革方向としてはこれが最も自然だったのでしょう。この方向は残念ながら成就しなかったわけですが、オスマン帝国の官僚制度はかなりしっかりしたものだったのですね。その遺産を民族国家に分ける方向もうまく行っているとは言えず、平和が訪れるにはまだまだ時間がかかりそうです。