乗車日記

自転車ときのこ

ゲノム編集とは何か 読了

読了。先月買って積読していた本。従来手法のタンパク質配列ではなくて、RNA配列でDNA切断箇所を指定する大変簡単にできるのが画期的。基本的に好きなところを切断して、遺伝子をノックアウトしたり、そこに新たな遺伝子を導入したりが簡単にできる。他人の細胞を免疫機構が拒絶するときの識別子のHLA型すら改変できる可能性があるというのは驚いた。iPS細胞なども自家移植しかできないのだと大変だと思っていたけれど、これなら話が変わってくるのかな。
 家畜や農作物の改変に関して読んでいて、既存遺伝子のノックアウトはカルタヘナ法の対象外であることを知った。自然突然変異と区別できないというのはわかるけれど、環境に出すときは十分なチェックを義務付ける法が必要なのではないだろうか?さすがに自然突然変異とは頻度が違いすぎるわけですし、DNA自体は既存遺伝子の一部を壊しただけでも、環境との相互作用という点では予測は難しい。コンピュータプログラムでも1箇所消すと、全体的に思ってもいなかった
おかしな動きになることは頻繁にあります。 
 筆者も後書きで述べておられるように、この技術は諸刃の剣であり、いまさら止められるはずもないので、人類が今後これをどのようにコントロールしつつ活用していけるのかが問われていると思う。
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