乗車日記

自転車ときのこ

読了 中国の歴史5 中華の崩壊と拡大

私の中で割とすっぱり抜けている三国時代の後、隋が統一を果たすまでの期間。
三国時代の終わりに晋が統一を果たして、司馬炎が皇帝になってやれやれと思いきや、その後300年近くも混迷の時代が続く。後漢末の混乱期からだと400年。
やたらと国ができては消えていくので詳細を把握するのはとても難しいです。華北だけ、それも北魏の前だけで十六国もあります。日本だと応仁の乱の末期のことを読んでいる感じですかね。しかし、この時代に、漢と北方の胡、そして南方の蛮が争い合い、そして徐々に融合して、新たな世界が形成されて行く。その様子が少し理解できました。
日本では、卑弥呼が王となるのがちょうど後漢末の黄巾の乱のころ、そして小野妹子が遣隋使として派遣されるのが、この混乱期の終わり。本書の後半は、日本を含め、高句麗百済新羅と中華世界の関わりについても議論されています。中国に一時的にでも安定政権ができると、どの国もその権威を利用して外交上の優位を確立しようとする動きを機敏に行なっている様子がわかりました。
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次は隋唐時代を扱う6巻目。1~5巻、7~10巻はすでに読んでいるので、次の第6巻をを読んだらこのシリーズ(の現代史以外)は一巡します。