乗車日記

自転車ときのこ

口縄坂

昨日の日記にも書きましたが、二上山からの帰り、阿部野橋で電車を降りて少し北上し、口縄坂を見てきました。司馬遼太郎氏の「燃えよ剣」で、土方歳三がお雪さんという恋人が束の間の逢瀬を過ごす場面で出てきます。私はなぜか石切あたりの旅館の話だと思い込んでいたのですが、実は四天王寺の北あたり。ちょうど夕方ですし、どんなところかこの目で確かめるのに最適です。
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実際の口縄坂。

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「カラー版国民の文学26、燃えよ剣新撰組血風録(司馬遼太郎、河出書房、1967)」の挿絵(風間完)。
私はこの絵を見て、もっと山手の方だと思っていたわけです。

読み返してみると「燃えよ剣」の本文には「遥かな眼の下に、難波の町がひろがっていた。その向こうは海。北摂、兵庫の山々がみえる、陽がたったいま、赤い雪を残して落ちてゆこうとしている。」とありました。挿絵を描かれた風間完氏は東京の人なので、これを読んで絵を描くと、山に陽が落ちる絵になってもおかしくはないです。

大阪湾ではないですが、実家の神戸市垂水区は山がちなところですので海に沈む夕日がよく見えました。いまの大阪で海に落ちる夕日を見るにはハルカスぐらい高いビルにのぼるか、海の近くに行くかしないと無理ですかね。そういえば四国から帰るフェリーで海に沈む綺麗な夕日を見た気もします。