日曜日の兵馬俑展でみた轀輬車の車軸と車輪について考えてみました。
どこまでが出土品を再現したもので、どこからが復元時に補完したものか知りませんので、以下は戯言です。
まず、車軸は車体にがっちり固定。サスペンションはなし。車軸は回転せず、車輪の羽生と車軸の間で滑って回転する仕組みと思われます。
鉄製の長い車軸を作ると無駄に重くなるでしょうし、技術的にも難しいでしょうから、車軸は木製でハブと接する部分に金属製のリングが取り付けてあり、それとぴったり合うようにハブの内側の穴が作ってある。両者の間で滑って回る。もちろん油を沢山いれておく。ような感じですかね。
秦帝国当時の金属の加工精度的に、車軸側の支えとハブの穴をぴったり合わせることができるのかという疑問はありますが、青銅で大きめに鋳造してから、現物合わせで削っていけば可能な気がします。旋盤はなくてもロクロ的なものはあったでしょうし。
ハブが車軸長手方向に広がっているのは、ガタを防ぐためだとおもわれます。軸受の精度が多少悪くても幅広いハブの両側2点で支えればガタはかなり減らせます。
スポークは非常に本数が多く、それを中心部でハブに接続するため、スポークが途中でひらぺったくなっています。単に細くすると剛性が足りないので横に広げているわけです。ハブの直径を増やすことでも対処できそうですが、無駄に重くなるのを避けているのか、あるいはスポークの車軸長手方向の横剛性を保ちつつ、車輪回転方向の剛性を減らすことで柔軟性を確保して地面からの衝撃をある程度緩和できるように設計されているのか?
これを実際木でどうやって作るのか?
- 車輪にスポークを全部差し込んでおく。(車輪には穴を開けておく。)
- ハブには車軸長手方向に割と深い切れ込みがある。
- スポークのハブ側を車軸の外側から、ハブの切れ込みに差し込んでいく。
- ハブの外から別パーツで押さえる。
という感じですかね。通常スポークは木製でしょうが、案外鉄で鍛造できたかもしれません。剣と同じ形に見えます。でもこの車輪のスポークは自転車と違って圧縮方向で支えるので、木製の方が適している気もします。
以上、復元模型についていろいろ考えてみましたが、時間があったら実際の出土品の情報をもっと調べてみたいと思います。