乗車日記

自転車ときのこ

三方五湖と熊川宿

日曜日に三方五湖のあたりに行ってきました。美浜までは電車。そこからは、折りたたみ自転車のブロンプトンに乗って年縞博物館へ。

三方湖

水月湖も見ました。とても穏やかな水面でした。



年縞というのは湖の底に溜まる泥の層が季節ごとにかわるために生じる縞々のことだそうです。水月湖は直接流れ込む川がなく、水面が穏やかで、かつ深いので表面の波で湖底がかき回されることもない。さらに水が底まで回らないと、湖底の酸素が減って湖底に生物がいなくなるので、生物によって泥が掻き乱されることもない。こう言った奇跡的な条件が整っていたため、1年ごとの縞が7万年分残っていてなんと厚みが45メートルだそうです。縞をひとつずつ数えて行けば正確にいつの層か見極めることができます。その層に入っている火山灰から姶良カルデラや鬼界カルデラや大山などの噴火年が正確に分かります。また、時々入っている植物化石などを取り出して放射性炭素測定を行えば、大気圏上層部での同位体生成量の変化についての補正が正確にできて、他の地域の化石から年代測定を行う際に極めて正確に年代が分かるようになります。入っている花粉から、植生の移り変わりも分かりますし、そこから平均気温も推定できます。ともかく凄いのです。

この45メートルの年縞を端から端まで展示しているのが年縞博物館。まず、最初の1メートル以内ぐらいのところに平安時代とか書いてあって度肝を抜かれます。鬼界カルデラの火山灰の分厚さから、九州の縄文人が絶滅した大災害が想像されます。それから、大山が何回も噴火していることに驚きました。
学芸員さんが沢山いて、色々と解説してくれるので大変よく分かります。年縞の裏側は気候の10万年周期の変動を決める3つのサイクル(地球の公転軌道の楕円率の変化、自転軸の首振り、自転軸の傾きの変化)について解説してあったり、グリーンランドの氷床の氷の縞との比較がしてあったりします。この中で一番驚いたのはグリーンランドの氷の層から分かった、氷期における激しい気温変動。氷期はずっと寒いのではなく、だいたい寒いのだけれど何故か急に暖かくなる時期があってまた寒くなるということが突発的に何度も起こっていたようです。驚くべきはその変化速度。速い時は10年で7度も上昇しています。現代の地球温暖化どころではありません。旧石器時代の人類がよく生き抜くことができたものだと思います。

外に出て建物を観察。

年縞が長いだけあって建物も長い。

次は隣の縄文博物館。この辺りには鳥浜貝塚という縄文人が暮らしていた跡があるそうです。特に丸木舟がたくさん見つかっています。


上のやつは発掘されたもので、下のやつは当時の道具を使って再現を試みたもの。湖専用の丸木舟ということで喫水が浅めです。最初の頃は海と兼用の深いものが作られていたそうですが、後に湖用と海用が別々に作られるようになったとか。あとシアターでやっている季節ごとの縄文人の暮らしの再現映像がとても面白いです。セリフとかはなくてとある家族が植物採集や調理や狩などをして暮らしている様子が延々と映っています。今回は残念ながら時間がなくて全部は見れませんでした(1時間に一回しか流れないので)。でも冬から夏ぐらいまでは見ました。

博物館を出て1時半ぐらい。丹羽街道を南下して鯖街道の熊川宿へ向かいます。

途中、昼食を摂ったり、買い物をしたり。




熊川宿はけっこう広くて(長いというべきか)お店も結構あって楽しめました。美浜の方では重いと思って躊躇して買わなかった日本酒ですが、もう峠も近いということで購入。他にも色々と買いました。ブロンプトンの輸送力が大変役に立ちます。

葛餅も食べて、峠を越え、鯖街道には行かずに今津の方に降りました。今津でゴリの醤油煮を購入。この辺り、湖魚のお店が何軒かあります。鯉の煮付けなどもありましたが今回は買わず。次は試してみたいと思います。今津駅まで行って、自転車を畳んで新快速に乗って帰宅。

買って帰った特別本醸造の早瀬浦はかなり美味しいです。
栗は月曜日に頑張って渋皮煮にしました。

さすが若狭は御食国だけあって美味しいものが多いですね。また買いに行きたいです。