乗車日記

自転車ときのこ

読書メモ

ブログを読んでいただいている皆様。
最近書き込みを怠っておりますが、読書メモは下記のリンクのnotionサイトにぼちぼち追加しております。もしも、よろしければご覧ください。
https://www.notion.so/2955bfa28c2d444cb78033c4d48ab28d?v=1aea7ba0b9d280b0a709000c58c20305&source=copy_link

記入のしやすさや、検索や分類のやりやすさから、私としては上記サイトにまとめることが基本となりつつあります。

どうぞよろしくお願いいたします。

読了、南北朝時代

宇宙代将軍侯景のアンソロジーを読んで俄然興味が湧いて購入。この時代、私には不明だったが、ダイナミックに遊牧文化が漢文化と触れ合って融合し、新たなものができていく様は大変興味深く読むことができた。その後の科挙や均田収授法の源流ができ始めたのもこの時代。北魏の孝文帝の漢化政策は知っていたが、その後、北魏源流の遊牧民族中堅層の不満がたまって揺り戻しが大きかったことは知らなかった。その大混乱の中で、最終的には中国の再統一がなされたというのは非常に不思議だ。個別の点としては、大上皇帝という地位は中華思想的にはあり得ないもので、遊牧民族との融合期に一時的に発生し消えていったが、これが日本に伝わって使われているというのが興味深かった。中華皇帝は死ぬまで皇帝なので、次の皇帝を立てて、自分が後継しつつ育てるということがやりにくいようだ。また、雅楽にある蘭陵王がこの時代の人であることを知り、宇宙代将軍侯景が北朝から亡命し、盤石と見えた南朝の梁を崩壊させるという、歴史上重要な役割を果たした人物であったことを知った。また、南朝は北部の漢人貴族・皇帝がまるっと移住してきて支配層に収まるということをやっており、なにやら2次大戦後の台湾と同じ構図に見えた。いずれにせよ、この時代、実はとても面白いのかもしれない。

読了、台湾の歴史

原著は2001年の出版。主に、国民党独裁の時代とその後の民主化の動きを政治的側面を中心に詳細に解説している。1970年ごろの蒋経国総統の時代から、本省人(台湾に起源をもつ人)の閣僚登用などが始まっており、1986年の民進党結成を黙認、1987年に戒厳令を解除して政治の自由化や大陸里帰りを認めたのち1988年に死去。1988年に李登輝氏が総統に。本省人であり、産業テクノクラートの李登輝氏は国民党上層部から安全パイと見なされていたが、巧みなリーダシップと権謀をもって確固たる地位を築く。さらに高まっていく改革を求める政治的・社会的運動を背景に民主化が進み、1991年には延々と続いてきた万年議員からなる国民大会を終焉させて、選挙による議会へと移行、1996年には初めての総統選挙が行われ、李登輝氏が選出される。そして、2000年には選挙によって陳水扁氏が総統に選出され、はじめて国民党以外の総統をもつことになった。

年表的にまとめるとこのようになるが、その間の国内的・国際的な政治的駆け引きは、いずれも薄氷を踏むような緊張感がある。日本統治の時代から全島的な繋がりができて、様々な違いはありつつも、台湾人としてのアイデンティティーが醸成され、自分たちのことを自分たちで決めるという政治的な自由を求める運動が続いた。しかし、日本が去ったと思ったら、なぜか今度は中国本土の勢力に支配されるという悲哀。それも腐敗という点では日本よりひどい。国民党の内部も、このまま権力を持ち続けることは無理と分かっているので何とか軟着陸させたい勢力や、無理やり力を保ちたい勢力などさまざま。国際情勢的にも、アメリカによる中華人民共和国の承認に至った後では、民主化を打ち出さないと、アメリカの世論・議会による支援が受けにくいなどという事情。いろいろあるとは思うが、大きな混乱もなく民主化を達成したのは素晴らしいし、その経験が今後も力になるのだと思う。