乗車日記

自転車ときのこ

土の文明史読了

土壌侵食についての警告の書。
山で土が削れて岩盤が露出している箇所を目にすることがあるので、気になって読んでみた。
世界中で平均しても土というものはあまり分厚いものではないらしい(1メートルもない)。木を切って畑にすると少しずつ流れ出る(特に斜面はまずいらしい)、あるいは風で吹き飛ばされて無くなって行く。また、色々と手入れをしないと、窒素やリンやらが減って作物が育たなくなる。
19世紀の米国では、西にいくらでも土地があったので、2年ほどで使えなくなった土地を放り出し、新たな土地を買うということを繰り返していたらしい。黄砂のような現象が多発したりしたとのこと。土地やらを含めた天然資源の値段が極めて短期的な経済価値から決まるのが一因といえる。
現在、多くの場合、土壌の劣化は化学肥料でなんとかしているが、原料のリン鉱石も先が見えており、窒素も固定するのに化石燃料が必要。あまり持続性は期待できない。ここで、有機農業が健康とかの問題だけではなく、持続可能性という点で今後、重要になってくるとの意見。
農業が持続出来ないと食べるものがなくなるという、極めて当たり前の話しではあったが、かなり暗い気分になった。
また稲作への言及が余り無かったが、稲作は持続可能性として有効なはず。あと、水(地下水)もなくなって来ているらしいが、その辺りの話しも無かった。