乗車日記

自転車ときのこ

琉日戦争1609読了

島津氏の琉球侵攻について14世紀の琉球王国成立や島津氏の成り立ちから、秀吉の朝鮮出兵との関連、そして琉球侵攻の結果まで含めて総合的に議論した本。
 これまで表面的な知識しかもっていなかったので、大変勉強になった。沖縄島が否応なく国際情勢に巻き込まれるという構図は、その地理的位置に起因しているということを再認識した。地理的な条件だけに動かすのが難しい。
 また奄美大島や徳之島は15世紀に琉球王国に征服されていて、島津氏の侵攻後に薩摩班領になったこと、琉球王国成立の基礎であった朝貢貿易が、明の海禁政策の変更によって既に15世紀後半には下火になり、民間貿易に力点が移っていたこと、京都の禅宗の支部が那覇で活発に活動していたこと、島津氏も内実は親戚同士の争いでばらばらだったことなど、知らないことばかりだった。
 更に、現在の沖縄の伝統と思われているウコンや泡盛さとうきびや豚肉といったものは、17世紀に羽地という摂政が改革を行った結果定着したものだそうだ。その辺りの琉球の歴史も今後是非読んでみたい。