乗車日記

自転車ときのこ

ローマ五賢帝 読了

予想外の面白さでした。皇帝達の行った人事が詳しく分析されています。プロソポグラフィー的研究と呼ばれる各地に残る碑文の解析の研究成果を利用した、執政官や総督の出身地の統計分析が大変説得的でした。ヴェスパシアヌス帝の頃は元老院議員の8割以上がイタリア出身者で占められていたのに、マルクス帝の頃にはイタリア出身者は半数を割り込んでいたとのこと。ローマという国の広がりが分かります。また古典文献だけでは記録者の意図に左右されてしまうので、このような客観性のある分析は重要だと思います。この南川先生の本、外にももっと読んでみたいです。
 と、その前に、今の高揚感を維持したまま、前から積んであるマルクス帝の「自省録」を読み切ってしまいたいと思います。
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