乗車日記

自転車ときのこ

風の払暁 読了

船戸与一の遺作に近い作品。9巻もあるのでハードカバーの時は躊躇していた。最近、満州国に取り憑かれたようにいろいろと読んでいるが、小説というのは殆ど読んだことがない。学術的な書物には現れてこない、馬賊小作人や兵士、娼婦、アヘン中毒者・・・といった様々な人々が出てくるのが魅力。また、それぞれ違った形で満州とかかわる四人の兄弟を主人公に配することで、多面的な視点を提供している。第一巻は張作霖爆殺のあたりまで。
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