乗車日記

自転車ときのこ

ザラストバンカー読了

自分の記憶にあるのはイトマン事件以降。安宅産業事件というものがあったことはこの本で初めて知った。それらに加えて住専問題など不良債権の処理の話が前半を占め、後半は太陽神戸三井との合併の話、UFJとの合併を逃した話などが続く。自分の読みたかったのは、その後の郵政民営化の指揮をとっていた時の話。簡保の宿の売却のことなどで、ずいぶんと政治家やマスコミに叩かれていたのを覚えている。この本を読むと、西川氏はきわめてビジネスライクに郵政事業を収益力の高い企業にするために、最も効率の良い方法を模索していたことがよく分かる。政治はそれとは全く違う次元で動いたが、西川氏はあまり注意を払っていなかったように読める。
 まあ、そもそも西川氏を起用した小泉氏が郵政民営化を政治が最後までバックアップする流れを作らずに辞めたのが悪いのだと思う。また小泉氏が辞めた後に流れが変わったのも、彼がかなりの無理をしたので自民党内に大きなひずみが残ってしまったためだろう。西川氏も小泉氏が辞めた後のことも考慮した上で、日本郵政の社長に就任するべきだったのだろうと思う。かといっても誰かがやらなければならなかったのだが。