土曜日に読み終わった本。2010年の単行本が改訂を経て先ほど文庫化されたもの。読者への挑戦については、手口は七割程度解明でき、虚偽情報に引っかかるのも避けられた。しかし、読みの筋はほぼ当っていても、作者と少し見解が違うと大きく違う方向にぶれてしまう。まあその分、想像の幅が広がるのでこれはこれで良いと思う。
今回の話は前代未聞の死者数で、読むのがしんどいところもあったが、人が手にした力の深刻さについての、ひとつの表現にはなっていると思う。
それと、冒頭のエピソードに出てくる人物の名前が、最後まで回収できていないように思えるのが気になる。何か読み落としているのだろうか?