乗車日記

自転車ときのこ

保元物語 読了

鳥羽法皇死後の崇徳院と後白河帝の争い。奥書に1934年11月15日第一刷と書いてある。全く注がないので少し不安だったが、平家物語を先に読んでいるし、新平家物語NHKの人形劇で予習してあるので大丈夫だった。むしろ読めるなら注がない方が、語りのリズムが崩れなくて良い。これに対して1999年第一刷の岩波文庫平家物語はちょっと注が多かった。「草葉の陰」や「兜の緒を締め」や「なかんづく」などについては、さすがに注はいらないのではないかとも思った。しかし、和歌の意味が詳しく書いてあるのは有り難かった。
 それはともかく、この本は1934年第一刷とのことで、字が旧漢字なのは良いとして、そもそも旧漢字で画数が多いところに(特に最初の方のページは)活字がつぶれかかっていて結構読みにくかった。これって昔ながらの活字を拾った活版印刷ですっているのですかね。2012年8月24日第14刷と書いてあるのですが。
 内容は、最初の方の状況解説をのぞけば、戦が始まった後はほぼ鎮西八郎為朝の超人的活躍のオンパレード。呂布か霍去病かというところ。弓を引けば船ですら貫通して沈没。なかなか痛快です。それに対して、この戦に勝ったはずの義朝は、院方に付いた父や兄弟を殺害させられて何とも悲惨でした。

f:id:tasano-kona:20150412171124j:plain