以前にKindleで買った中島敦の全集で読んだ何編かの南洋の話が印象に残っていて、本書をジュンク堂で見かけた時に思わず購入。南洋庁はパラオにあっても、パラオからマーシャルまでのミクロネシアを広く統括していて、南洋庁に出仕していた中島敦も色々な島を巡っていたのですね。
中島敦のいた1941年ごろだけでなく、19世紀の末から日本の信託統治が始まる1920年ぐらいまでのミクロネシアやサモアの歴史も、西洋人による統治や商業といった観点から詳しく述べられています。ミクロネシアの人たちがどのような政治的状況にあったのか全く知りませんでしたが、少しは理解できました。ただ、背景知識のない私にとっては、1920~1940年ごろのことが全く説明されれず、いきなり1941年に飛ぶので、困りました。関連の本を買って勉強したいと思います。
それにしても暖かい国に行ったら喘息が治るかと思って南洋に行ったのに、余計に悪化して帰ってくるなり死んでしまったとはなんとも悲しい話です。