サスペンションの効果を計算する前に、まず物体をタイヤで乗り越える際にどのような上下運動が加わるのかを検討してみた。
図のように半径R1の根っこが半分地面に埋まっているとき、半径R2のタイヤで乗り越えることを考える。この場合ホイール中心の描く軌跡は図の緑線のようになる。図から分かるように、ホイールの中心は半径R1+R2の円弧を描いて根っこを乗り越える。上への動きの最大値はR2に関わらずR1であるが、R2が大きいほど水平方向に軌跡が伸びるので上下の動きは緩やかになる。根っこの中心からx離れた位置におけるホイール中心の高さyはと表される。またホイールが上がり始める点から降り切った点までの水平距離Wはとなる。
例えば半径2cmの根っこを26インチタイヤで乗り越える場合、Wは23.3cmとなる。ちなみに29インチタイヤの場合W=24.6cmとなるので、上下方向の動きはより緩やかになる。また根っこの半径が4cmの場合は、26インチと29インチでWはそれぞれ33.5cmおよび35.2cmとなる。