乗車日記

自転車ときのこ

ゼロからトースターを作る 読了


原材料を鉱山から掘り出すところから初めて、ともかく自力でゼロからトースターを作ってみようという卒業研究を行ったイギリス人大学生の珍道中。
廃鉱になった鉄鉱山に言って鉄鉱石を入手し、それを駐車場で土管につめてコークスと一緒に燃やして精錬するといったところから始まり、スコットランドの最果ての島で絶縁材料のマイカを手に入れたりといった具合。ばかげた口調でつづられているが、実は現代文明の立ち位置を鋭くえぐっている。余剰の富を生み出してくれる分業による効率化はすばらしいが、実は一人では鉄の板一枚作るのもほとんど出来ないこと、またどんなものも(植物由来のものを除けばほとんど)地の底から掘り出されたものによってできているということなどなど。普段は忘れ去っていることを思い出させてくれる。子供がもう少し大きくなったら読んでやりたい。