長女が今昔物語を読みたいというので書庫にある福永先生の本を出してきた。よく聞くと、学校の先生に「井戸から地獄に行く話」が今昔物語にあると聞いたのでそれが読みたいとのこと。これは小野篁の話だということはすぐに分かったが、残念ながらこの本には載っていない。岩波古典文学大系の今昔物語集も家にあるのは5巻目だけ。めくってみたがそんな話は載っていない。加門七海のくぐつ小町なら小野篁が出てくるけれど、ちょっと違う。
ネットで調べてみると巻の20の45話目に「小野篁、情に依り西三条の大臣を助くる語」があるらしい。便利なことにウェブ上で見つかったので、それを読んであげた。しかし、長女が聞いてきたのは地獄でお化けと戦う話とのこと。そんな話、あっただろうか?
結局見つからなかったが、色々収穫があった。まず、「篁物語」という本があってくぐつ小町のシスコンの話は底本にこれがあると言うことをはじめて知った。これも読んでみたい。
それから嵯峨天皇とやり合ったときの伝説に子を12コ書いて「ねこのこのこねこ、ししのこのこじし」と読むというのがあった。どこかで聞いたことがあったが、篁の話とは知らなかった。しかしこれ、「これちゃうちゃうちゃうん」、「ちゃう、ちゃうちゃうちゃうちゃう」というのと同じではないだろうか。昔から関西ではこういうのが楽しまれていたのかも、と想像すると楽しくなる。