乗車日記

自転車ときのこ

縄文人の植物利用 読了

昨日、今日と読書三昧。あるいは引きこもり。

色々な人の発表の統合なので、一人の人が書いた本に比べて読みにくいが、多面性を浮きだたせるにはこちらの方が正解かも知れない。土器に残る謎の圧痕(何かを押しつけた痕)がへその形から大豆と分かったという話が興味深かった。大きさを統計してたどっていくと5000年前ぐらいの前後で豆の長さが5mmから12mmぐらいに増加しているらしい。石鍬の出土数の増加からしても、このあたりの少し前で大豆(つるまめ)の栽培が始まったと推定できるようだ。

日本にはウルシは自生しないのに、なぜか福井県で12600年前のウルシの材木が出土していたり、函館で9000年前の漆製品が見つかっているというのも興味深かった。揚子江中流ではウルシは山中にあって自生しているらしい。

他にも興味深いことは絶えないが、磨製石斧で木を切り倒す実験の結果は自分にとっては特に知りたいところだった。いつも山の中で道に倒れてきた倒木を処理しているが、そのたびに石器しか無かった時代にはどのくらいの労力がかかったのだろうかと気になっていた。実験によると500ストロークで栗ならば直径18cm、その他の木なら10cmの木が切り倒せるそうで、このあたりも栗が材木としてよく使われていたという根拠にもなるとのこと。時間で言うと10分で栗なら10cmの木が切り倒せる。ちなみにのこぎりと違って磨製石器出来る場合は上下から杭の先端を作るように立体的にくりぬかないといけないので、直径が2倍になると8倍も時間がかかるそうだ。

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