乗車日記

自転車ときのこ

読了 信長が見た戦国京都

町組の財産運用記録や法華宗連合の勧進記録から、当時上京、下京を構成していた各町組の名前や数を再現している点が大変興味深い。歴史を考えるとあたりまえなのかもしれないが、天神山町とかとくさ山町とか白楽天町とか函谷鉾町とかが、戦国時代の資料で確認できることに凄みを感じる。下京で53町、上京で80町が確認できて、さらに町ー町組ー惣町という組織があって自治がなされている。

また、様々な記録から再現した1573年の信長の上京焼き討ちの内容はかなり衝撃的だった。御所以外の上京が全部焼け野原だったとか。逃げた人が桂川で溺れ死んだとか。ところで信長公記にも記述があるというので、そんなこと書いてあったかなと思いながら、そちらも開いてみた。ただ一文、「二条城を包囲して、上京に放火した。」で終わり。都合が悪いので書きたくないけど、書かないわけにもいかないというところだろうかと邪推してしまう。

この辺りの記述、やはり吉田神社の兼見卿記の記述が詳しいようだが、簡単に手に入るものがない。また上京図書館まで借りに行こうかと考えつつある。

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