乗車日記

自転車ときのこ

つるつる

S山からみたATG山

今日はちょっと寝坊した。急いでMさん宅に向かう。やたらと寒い。摂氏−3度である。Mさん宅まではM街道に出てしまえばほとんど直線なのだが、一カ所だけクランク状に曲がる所がある。H電鉄支線の終点あたりだ。ここが恐ろしい摩擦係数0の世界になっていようとは、思いもよらないことであった。ここまでくれば後は楽勝。7時過ぎには着くか、などと浮ついたことを考えつつ、最初のカーブを曲がろうとしたら、いきなり前輪のグリップがなくなり、左膝から地面に突っ込んだ。左膝、右手、左肘の順に強く打ち、しばし動けなくなる。まさに油断大敵。
 見ると一番上に着ていたカッパのズボンの膝が裂けている。ショックだ。その上、膝がともかく痛い。道の脇によけて座り込む。3分ほど動けなかった。幸いタイツは破れていない。しかし血がにじんでいる。痛みをこらえつつ、こぎ始める。こぐほどに痛い。しかし膝の骨がくだけているとか、皿が割れているというようなことはないようだ。でも、路面の白くなっている所がすべて滑りそうに見え、怖くてスピードが出せない。びくびく走りながら、Mさん宅に到着。Mさんは待ちかねたのか車の中で待っていた。
 タイツを脱いで中を見ると膝は1cm x 2cmほど剥けており、その回りも腫れている。イソジンスティックで消毒して、傷パッドを貼り、応急処置は完了。強くクランクをまわすとずきずきするが、走れないことはない。Mさんと出発するが、やっぱりカーブが怖くてなかなかついて行けない。シングルに入ってやっと恐怖感は薄れてきたが、膝の動きが悪く、ここぞという所で力が出ない。なんとかMさんについて行き、迷路のような道をぐるぐる回る。300メートルほどのピークで一休み。うっすら積もった雪の上に、いろいろな獣の足跡が残っており、何があったのか想像するのが楽しい。ここでの気温は−4度。京都でここまで寒いのも珍しい。ハイドラパックのチューブが凍って、水が飲めなくなっていた。さらに休んでいる間にMさんのホイールは凍ってしまい、全くブレーキが効かなくなってしまった。昔八ヶ岳ラリーで同じ経験をしたことがある。あれは恐ろしいものだ。私のほうはディスクブレーキなので問題なく効いていた。やはり悪条件下ではディスクが強い。
 そのあとは激下りをびくびくしながら下った。いつもは普通に下れる道も、今日の路面と精神状態ではかなりハードなコースだ。なんとか転けずにしたまで降りて、Mさんと別れて家まで帰った。もう一度膝を見てみると、傷パッドが血だらけ、シャワーを浴びるとしみる。傷がよく治るパッドに貼り直し、昼までゴロゴロ。昼から仕事に行った。やはり、力を入れて踏むと膝が痛い。それでも帰る頃には痛みも引いて、普通にこげるようになってきた。ああよかった。これで明日は楽しく乗れそうだ。