乗車日記

自転車ときのこ

終わった終わった

今日でやっと学会は終わった。初日に時差ぼけのまま発表をし、2日目にはなぜか座長をやらされ、夜に学会の催しで見に行ったシェークスピアはさっぱり台詞が分からず、ともかく大変だった。そもそも会議の名前が「遅い光と速い光」であり、光が止まるだの光速を越えるだのといった怪しい話ばかりをしている。日本でやっていたら疑似科学の人の集まりと思われること間違い無しだ。
 まあ、昨日今日と朝食の時、のり茶漬けが食べられたのだけが救いだった。ホテルのフロントに聞いてみたら、すぐに暖めてくれた。恥ずかしがらずに聞いてみるものだ。
 それで今日は昼までで終わったので、前から狙っていた国立航空宇宙博物館に行ってきた。子供の頃から一度行きたいと思っていたが、ついに見ることができた。入ってすぐに、あまりにすごい展示物に圧倒されてしまった。
 宇宙開発初期の再突入カプセル(マーキュリーやジェミニ)や、アポロの着陸船、司令船などから、V2、Me262、零戦ライト兄弟の飛行機、それにどこから集めてきたのかソ連のソユーズなど、なんでもありである。ジェミニの突入カプセルなどは、厚さ30センチほどの遮熱板があって、その上が座席である。進行方向側でないところは壁の厚さが5センチもない。それもアルミっぽい。こんなもので大気圏突入をやれと言われたら、私なら断る。宇宙飛行士は大変だ。
 ところで、ライト兄弟の展示を見て思い出したが、彼らは元々自転車メーカーだったのだ。プロペラを動かすのにチェーンドライブがちゃんと使われている。最初の飛行機も自転車の技術の上にできていると思うと感慨深いものがある。
 また、飛行機の理屈をわかりやすく示した展示物も沢山あった。たとえば、煙の出る風洞で風の動きが見え、翼の各部分での気圧の変化が分かるものがあった。それから、カーボン、鉄、チタン、アルミ、木の同じ太さの棒が並べてあって、自分で重量と剛性を確かめられる展示があり、これは楽しめた。やっぱりカーボンがよいようだ。チタンが鉄とアルミの中間というのもよく分かった。
 天体観測の歴史のコーナーもなかなかこっており、ガリレオの望遠鏡から、パロマの5メートル鏡の模型、ハッブル宇宙望遠鏡の予備ミラーやらが展示してあり、それだけでなく、背景輻射揺らぎ探査計画の話や、カミオカンデの展示など最新のことまでちゃんと説明しようとしているのには感心した。
 しかし、これだけあっても、全部ただ。それどころか、この辺りにある国立美術館や歴史博物館など全部ただらしい。子供から大人まで沢山見に来るはずだ。こういうのを子供が見てフロンティアスピリットが再生されていくのだろうか。 私は子供の頃、明石の天文科学館と弁天町の交通科学館に通っていたが、さすがに米国人が少し羨ましい。
 その後は、国会議事堂まで歩いていって、連邦四角という駅を見て、飯を食って帰った。どれもでかい建物だ。でも、相変わらず飯はまずかった。