乗車日記

自転車ときのこ

マインドイーター読了

子供のころ読んでいたSFマガジンに短編がぽつりぽつりと連載されていたが、何度読んでも意味が分からず、心の底でずっと気になっていたのだろう。先日、職場の本屋の取り寄せ本保管のコーナーをちらりと見たらこの本がおいてあった。瞬時にして記憶がめぐり、いくつかのシーンを思い出した。早速、自分も注文して購入。調べてみると昨年の11月に完全版として復刻していたらしい。再開の機会を与えてくれた注文者に感謝したい。その人も子供のころ読んでいたのだろうか。
 いざ読んでみると、あのころよりは理解は進んだが、まだなかなかに手ごわい。生命・そして人とは何かを問うた本。さまざまな切り口が矛盾や不整合を読んでおり、また答えもはっきりしない。当時の自分では分からなかったのも仕方がない。解説に神林長平の「プリズム」、野阿梓の「狂天使」が比肩し得る作品として挙げられていたが、この二つは当時の自分でもある程度理解でき、そして大きな影響を受けた。30年近くを経て、ようやく3つ目の中身に幾分近づけたか。
 ところで、この本と、「意識は存在しない」と「完全言語の探求」で思い知ったが、もういい加減チョムスキーを読まなくてはならない。これも教養部の先生に言われてからはや20年。うかうかしていてはいけない。