乗車日記

自転車ときのこ

都市の起源 再読

先日読んだ「古代メソポタミア全史」が政治史中心で、技術の発展が気になったので2016年に読んだ本を再読。
土器の出現が9000年前、銅が精錬できるようになったのが7000年前。土器への釉の焼き付けには900℃以上の高温が必要で、これが銅の精錬に必要な800℃以上の高温を作り出せる基礎技術になったようだ。
青銅の開発が5000年前。青銅は錫と銅の合金。銅鉱石はメソポタミア北部の山岳地帯で採掘できるのに対して、錫はイラン東部からアフガニスタンで産出される。太古にこの距離を通してメソポタミア中部まで二種類の鉱物が運ばれ、都市で合金の実験が行われ、青銅がついに開発された。交易ネットワーク、そして都市がなければ二つの鉱物が出会うことは無かったわけだ。このような組織的な作業体制は都市とその延長線上にある国家権力があって初めて可能になる。

都市成立の原動力の一部は8000年前〜5000年前の気候の温暖化がもたらした海面上昇とのこと。ペルシャ湾岸の海岸線が200km程度内陸に入り込み、土地が減っただけでなく、水の排出を困難にして塩害を発生させた。それらの土地から離散せざるを得なかった人々が、より北側の住みやすいウルク周辺に到来したことで人口の上昇が生じて都市ができたという仮説。最初の都市であるウルクは前期段階で100ヘクタール(1km x 1kmの面積)であり、確かに、徐々に人口が増えているだけでできるようには思えない。

それから、ロクロ盤の開発が5500年前で、それが転用されて車輪ができた。産業のある領域で技術が開発され、何も無かった領域に適用されている。これは面白い。確かに発想の順番としては、綺麗に土器を作るためにぐるぐる回すというのを先に思いつきそうだ。しかし、杉の丸太か何かが転がり易いというのから発送できそうな気もする。
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