乗車日記

自転車ときのこ

悪名の棺 読了

箕面市に縁のある友人から色々とうわさ話を聞いていたおりに、ちょうど本屋に並んでいたので買ってしまった。基本的に良一氏を擁護する立場から書かれており、私はそれの真偽を判断するだけの材料は持ち合わせていないので、総合的な評価についてはなんともいえない。
 これまで子供の頃のTV CMでの印象と、平成に入って良一氏が亡くなった時のニュース、そしてそれに関連する船舶振興会関係の断片的なニュースぐらいしか知らなかったのだが、これでとりあえず一通りのさわりが分かった。
 全体的には戦前から東京裁判のあたりの時代と女性関係に重点が置かれている。昔から金を稼ぐのはうまかったらしい。後者もなかなか凄かったようだ。本の構成としては、既存資料だけでなく関係者へのインタビューをかなり行っている点が評価できる。ハンセン氏病患者への支援のことなどは全く知らなかった。ただ、一番知りたかった船舶振興会関係のことは、それほど突っ込んだ話は無かった。
 それからこれを読んでいて、小学生の頃に船の科学館で宇宙科学博覧会というものがあり、2回も連れて行ってもらってサターン5型やアポロ着陸船、バイキング探査船などを見たことに思い当たった。そこでみた先端科学の衝撃が現在の自分の基礎のひとつとなっている。使い方はしっかりしていても公営ギャンブルによる集金システムについてはやはり釈然としないところがあるが、しかし自分が宇宙博でお世話になったことは間違いないようだ。