乗車日記

自転車ときのこ

理科系の作文技術

帰宅して夕刊をふと見ると木下是雄先生がお亡くなりになっていたという記事を見つけました。

物理学者の木下是雄さん死去 「理科系の作文技術」:朝日新聞デジタル

先生の書かれた「理科系の作文技術」には本当にお世話になりました。有り難うございました。そして心よりお悔やみ申し上げます。

右も左も分からず自己流で技術的な文章を書いていたときに、この本を読んで目から鱗が落ち、おかげさまですっかり真っ白になって出直すことが出来ました。事象と分析とを厳密に分けること、曖昧な接続詞「が」などで前後の文の関係を誤魔化さないこと、「思われる」など責任が不明確になる表現は使うな等々、最初に読んだときの衝撃を鮮明に覚えています。

小学校や中学校でも、日本語本来の感情や印象の表現技術ばかりでなく、別の体系として論理的な文章の書き方も教えるべきではないかというのが私の持論なのですが、最近は少しは変わってきているのでしょうか?

それとも、そんなことはもとから教えているのに、自分は我が強すぎて見えていなかっただけという可能性もあります。なにせ、高校三年生の冬休みになって、初めて現国というのが文章に対する自分の考えを問う問題ではなくて、自分の考えは側に置いたうえで、書いてあることを客観的に分析する問題であることに気がついたぐらいなので。