乗車日記

自転車ときのこ

読了 天正伊賀の乱

古文書に基づく大変実証的な内容でした。
実質上守護がいなくて、割拠する在地領主によって納められてきた伊賀国でしたが、それが織豊政権と徳川家の天下統一に伴って解体される過程といえます。
天正9年の大軍による侵攻(第二次天正伊賀の乱)で在地勢力は根絶やしにされたように思ってきましたが、翌年の本能寺の変の後にも蜂起していたことを知りました。
本書の著者の評価ではこれはオマケのようなものということですが、鎮圧に参加した小川長保の記録では、物凄く夜討ちを警戒していて、陣の周りに何重にも堀や塀や柵を作ったりしているのが印象的でした。

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一般に天正伊賀の乱の記述で引用されている伊乱記(江戸時代初期に書かれた記録)は、ほとんど小説ということで本書では採用されていません。ただ小説として面白そうなので、機会があれば読んでみたいと思います。