乗車日記

自転車ときのこ

虹の計算

ちゃんと計算してみた。水滴を球で近似して、反射角度と反射率を考える。

空気の屈折率n1=1, 水の屈折率n2=1.33を仮定して半径1mmの水滴に対して計算した入射位置と反射角度の関係を計算したのが下の図。入射位置0は球の中心。{相似形状なので実際には水滴の半径は波長よりも十分大きければ関係ない。)球の真ん中に当たるとまっすぐ戻るが、端のほうに当たるとかなり曲がった角度に戻ってくる。しかし、これだけでは虹がリング状に見えることを説明できない。


次に、同じ条件で入射位置に対するトータルの反射率を計算してみた。赤がS偏光、青がP偏光に対するもの、黒は両者の平均。球の端の方に入射したときだけ、反射率が高い。一枚目のグラフとあわせると、30度方向に強く反射が生じることが分かる。


両方のグラフを合わせて反射角度に対する反射率を計算したのが次の図。たしかに30度方向に反射率のピークがある。


これをもとに、観測者と太陽と雨粒の関係を描くとこういう感じになる。

広がり角度60度のリングが生じるという計算になる。後は波長によって屈折率が違うので、ピーク強度が生じる反射角度が異なるため虹が生じる。